法定相続情報証明制度は2017年から始まった比較的新しい制度で、利用者が増えてきています。

この制度を利用するメリットとは？

戸籍収集の手間が省略できる

相続の手続きには、不動産や株式の名義変更、預貯金の解約等があり、手続きの際には戸籍書類が求められることがほとんどです。「法定相続情報一覧図の写し」は戸籍の束の代わりとなるので、手続きの都度、戸籍の収集をする必要はありません。

5年間保管・何度でも発行可能

「法定相続情報一覧図」は法務局で5年間保管され、「法定相続情報一覧図の写し」はその間、何度でも発行してもらえます。

今までは、一つの手続きで戸籍類の原本を提出している間は他の手続きを進められず、取引金融機関が多い場合等は相続手続きを全て完了するまで多くの時間がかかりました。法定相続情報証明制度により、「法定相続情報一覧図の写し」を何通でも発行してもらえることで、複数の手続きを同時に進められますので、相続手続きが完了するまでの時間が大幅に短縮されるでしょう。

発行手数料が無料

「法定相続情報一覧図の写し」の発行は無料です。

戸籍書類は、被相続人の出生から死亡までを揃えだけでも複数となります。そのため、手続きの都度、戸籍等を取得していくと、それなりの費用と手間がかかり負担ですが、「法定相続情報証明制度」を利用すれば、その負担は大きく軽減されます。

【参考】
戸籍謄本等を市町村役場で取得する手数料は、1通あたり300円～750円程度かかります。

長野市の場合

• 戸籍謄本（全部事項証明書）1通　450円
• 戸籍抄本（個人事項証明書）1通　450円
• 除籍謄抄本　1通　750円
• 改製原戸籍謄抄本　1通　750円

メリットの多い法定相続情報証明制度ですが、デメリットはあるのでしょうか？

デメリット最初の申請が手間

法定相続情報証明制度を利用するには、申請が必要です。申出書や相続関係情報一覧図も作成しなければなりません。そのため、相続の手続き先が1か所のみの場合は、ほとんどメリットはないと言えます。

デメリット制度に対応していない金融機関もある

銀行や証券会社等で、法定相続情報証明制度に対応していない場合もあります。その場合、改めて戸籍を収集して手続きを行わなければなりません。