司法書士法人 峯村共同事務所

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遺言のススメ

 1 なぜ遺言を書いておいた方がいいの?

遺言書は相続紛争を予防する!

財産を持っている全ての人に遺言を書いておくことをオススメします。
今現在、家庭裁判所に持ち込まれている遺産分割の争いのうちの3分の2は遺言を書いておけば防げた、と言われているくらいです。
昔は、遺言を書くこと自体が『なんとなく暗い感じがして嫌だなあ』と思われてきましたが、今の時代にそんなことを言っていてはいけません。
あなたが遺言を書いておかなかったばっかりに、相続人同士が醜い争いをし、家族が崩壊することだってあるのです。
遺産争いは、身内であるが故に、いったん話がこじれると骨肉の争いになり、収拾がつかなくなってしまうものです。

こういったことを考えると、遺言を書いておくということは『亡くなっていく者の義務である』といってもいいでしょう。
以上のようなことをよく考えてみれば、遺言を書くということに対する偏見が少しは変わると思います。


遺産価格の高騰

戦後から高度経済成長期を経て、土地の値段は一気に高騰しました。
いくらバブルが崩壊したとはいえ、戦後に比べればその価値は比べようもありません。
そのようなことからも、昔であれば遺言などなくても、遺産の総額が低かったため、そうそう相続人の間で争いになるようなことはなかったのですが、今も昔と同じような感覚で遺言をしないでいると、相続人同士の醜い紛争を起こしかねません。
それまで仲良く暮らした兄弟が、たかだか数十万円のことで絶縁してしまうこともあるのです。
ましてや、遺産価格が高騰した現代の相続では数百万・数千万の遺産が残ることなんて今や、全然珍しいことではありません。

人間、お金が絡むと、ついつい欲が出てしまうものです。
表面上は、円滑に遺産分割が終わったように見えても、実は腹の中でくすぶっている者がいるかもしれません。
そういう小さな火種がいずれは積もり積もって爆発することだってあるのですから、遺言を書くことによって未然に防ぐことができるのであれば、それに越したことはありません。


遺言で相続税対策もできる!

ここで誤解していけないのは、遺言を書いたからといって相続税自体が安くなるわけではないということです。
例えば、相続人が相続税を払えないために相続した土地を売ったとします。
この場合、売った相続人には譲渡所得税がかかってしまい、なおかつ相続税も払わなければいけません。
これでは、なにかとっても損をした気分になりますよね。
さらに、亡くなった方からすると、自分の土地が売られてしまうのは、やはり悲しいことです。

このような事にならないように相続税を十分に考慮したうえで遺言書を作っておけばこのような事態を未然に防ぐことができるのです。
税金面から考えても、やはり遺言は書いておいた方がいいのです。
ましてや、遺言者ご本人のためにも遺言を書いておいた方がいいとも言えるのです。

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 2 専門家に遺言書の作成を頼んだ方がいいのはなぜ?

遺言を書けばそれで安心か

最近は、一般市民にも遺言知識が普及したため、遺言を書く人が着実に増えてきました。このこと自体は、大変喜ばしいことなのですが遺言をめぐる紛争もそれに比例して増加しているのも事実です。
このホームページでも書いてあるとおり、遺言を書くには一定のルールがあり、それを守れていない遺言は基本的に無効となります。

また、仮に、このルールは守れていたとしても、遺言の内容がハッキリとせずいろいろな解釈ができてしまうため、争いが起こることも少なくありません。
法律というものは、とても奥が深いものです。
一般の方が、少し勉強したくらいでは、とてもじゃありませんがマスターできるものではありません。
むしろ、法律を少しかじったくらいが一番危ないのです。

ですから中途半端な知識で遺言を書くということは、とても危険な行為といえます。

よほど、単純な場合以外は専門家の判断を仰いだ方がいいでしょう。
遺言について少しでも不安があるのであれば、迷わず我々専門家に相談することをオススメします。


遺言で恩を返す

日本では、民法により法定相続分が決められていますが、これが原則だと思っている人が意外と多いのではないでしょうか?
実は、この法定相続分は原則などではなく、遺言で相続分の指定がないときにはじめて、この法定相続分が適用されるのです。
つまり遺言による相続分の指定は法定相続分に勝るのです。
しかし、逆に、この遺言をしておかない限り、遺言者の意思どおりに相続が進むことはないとも言えるでしょう。
皆さんの中には『自分の遺産を全部妻に残したい』『昔お世話になった人に最後の恩返しをしたい』などなど、いろいろな願望があることと思います。
以下のいずれかに当てはまる人は、ぜひ遺言を書きましょう。

法定相続分と異なる配分を指定したい人
例) 各相続人の事情を考慮しながら法定相続分とは違った割合で遺産を配分したいと思っている人。
遺産の種類や数がとても多い人
例) 誰が何をもらうかなどの話し合いが相続人間の協議では決められないと予想できる場合。
推定相続人が兄弟姉妹だけの人
例) 子供がいない2人暮らしの夫婦の場合で、相続人が病弱な妻とその夫の兄弟姉妹の場合で遺産を全部妻にあげたいような人。
会社経営者、農業、その他自営業の人
例) 後継者の能力や、営業状態などを考慮して、相続により営業基盤の弱体化を心配している人。
推定相続人以外の人に遺産をあげたい人
  • 1. 内縁の妻、息子の嫁、順位の劣る相続人、事実上の養子
  • 2. よく看病などの面倒をしてくれた人
  • 3. 団体への寄付、財団の設立をしたい人

しかし、上記のいずれを実現するにも遺言を書くしかないのです。
言い換えれば全て遺言にかかっているのです。
もう一度思い出して下さい。
ルールを守れなかった遺言は、原則的に無効です。
たとえ、ルールを守れていたとしても、書き方がきちんとしていないと、遺言者の思ったとおりの内容が実現できないかもしれません。
ましてや、よかれと思って書いた自分の遺言書のせいで、相続人の間に思いもよらない争いを生じさせてしまうことさえあるのです。

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