遺言はいくら書き直しても自由ですので、何通あっても要件をクリアーしていればそれぞれ有効です。
ただ、その内容が抵触する場合は、後の遺言により前の遺言が取消されたことになります。遺言者の気が変わり、遺言を変更するは自由だからです。
この場合、遺言が取消されたことになるのは抵触する部分のみで、一部抵触しているからといって前の遺言全体が無効になるわけではありません。
遺言の作成は、その日付の前後によりますので、1通が自筆証書遺言で、もう1通が公正証書遺言の場合でも、公正証書のほうが特に有効になるといわけではなく、あくまでも遺言書作成日の前後によります。つまり、後から作る遺言がどんな方式でも、法的な要件を満たしていれば取り消すことができるのです。
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民法では、遺言書を隠したりすると相続人の資格を失う『欠格』という制度があります。
この規定の趣旨は、遺言者の意思を妨害する者に一定の制裁を加えることによって遺言者の最終意思を実現させようというものです。
遺言の隠匿に当たるかどうかは、
(1) | 故意に遺言書の発見を妨げるような状態にしたかどうか |
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(2) | 遺言の隠匿により相続法上有利となり、または不利になることを妨げる意思があったかどうか |
により、判断されますが、その解釈は微妙な問題です。
以下に隠匿に当たる例とあたらない例を紹介します。
隠匿に当たらない例 |
典型的な4人家族(妻、長男、次男)の場合で、亡くなった夫は、生前に『遺産の全てを長男にやる』旨の公正証書遺言を弁護士に依頼していました。
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隠匿に当たる例 |
上記と同じようなケースで、ただ遺言が自筆証書遺言であった場合です。 さらに、今回の場合、長男は裁判所に相続放棄伸長の請求をしてまで、他の相続人に相続放棄させようとしましたが、失敗に終わり、その2年後に相続税納付の件で税務署から呼出しを受け、これをきっかけにようやく遺言書を公表しました。 しかし、他の相続人から裁判を起こされ、一審では隠匿の故意まではなかったとされましたが、控訴審では遺留分減殺を恐れての隠匿に当たると判断され相続人失格となりました。 |
遺言書を隠匿すると最悪の場合『欠格』となり相続人の資格を失うので気をつけましょう。
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